私は小学校教師として8年間働いていました。日本は世界から見ても働きすぎで、それは教師も同じです。
今日は教師の労働環境の実態を、元小学校教諭の私が暴露していきます。私が辞める決断に至ったネガティブな理由でもあります。
ネガティブなので、今ネガティブは無理って方は閲覧注意ですが、いいよって方は、今日も最後までお付き合いくださいませ♡
目次
教師を辞めたネガティブな理由を書く理由
私が教師になった時から教育現場は疲弊していたと思います。もう既に限界を超えているにもかかわらず、たくさんのことを我慢して自分の時間や家族を犠牲にしながらがんばっている先生が本当に多いです。
離職率も休職率も高いのもその表れ。精神疾患にかかる先生も非常に多いです。
しかし、現場の先生たちだけでは動けないのが現状。先生たちも改善を訴えたいはずです。日本社会全体でどうにか改善しようという気持ちは溢れていると思うのに、時代だけが進んでいって労働環境の改善はみられない気がしています。
私に何かできることがあるとすれば、現状をとにかく少しでも多くの人に伝えることくらいです。たくさんの人に知ってもらうことによって、どうにかしなきゃってみんなで動くきっかけになればと思って書くことにしました。
小学校教諭を辞めたネガティブな6つの理由
小学校教諭を辞めたネガティブな理由はたった一言。
私の知り合いの先生は過労で突然死しています。教師の経験年数も長く、中堅より少し上の年代でしたが、長い教師生活の間にもう本当に辛いと思うことは数え切れないくらいあったんだと思います。
しかし、ずっと辞めずにがんばっておられました。そして、突然この世を去られました。私の中では、このことはとても大きなことでした。
また、私の周りで心療内科にかかりながらがんばっておられる先生も何人かいらっしゃいました。精神疾患は教師間では珍しくありません。いつ、だれが、精神疾患にかかってもおかしくなく、教師にとって非常に身近な病気になっています。
私は教師時代に教育委員会に数十人の先生たちと、現場の環境改善を求めに何度も団体交渉に行っています。
けれど、改善は見られません。いや、改善する気はさらさらないっていう感じ。彼らは現場の状況をどうにかしようというより知ろうともしなかったです。その結果、今もちっとも改善されていません。
子どもたちを30人以上を一人で担当するのは本当に大変なこと
ご家庭のしつけの影響、本人の性格の問題、発達障害の問題、子どもが置かれている家庭や周囲の環境など、今の子どもたちの抱えている問題は本当に様々。
そんな子どもたちがクラスに30人以上集まります。その中で本当に手に負えない!と思う子が、クラスの中に何人かいます。そういう子が一人でもいるのといないのでは大違いで、一人いただけで周囲の雰囲気がガラッっと変わります。
結果、学級経営が非常に困難になります。そのような子を含めて30人以上を教師一人がまとめるのが日本の教育のやり方。そうなるともう一人で一年間闘わないといけなくなります。
休み時間はもちろん、授業中でもトラブルは起こります。学校から帰った後でも、公園などで友だちや地域とトラブルを起こすこともあります。
もちろん学校外だからという訳にはいかず、教員が出向いて話を聞き、指導を行います。平日だけでなく、休日でもトラブルは起こります。休みの日にまで出向くケースはあまりないかもしれませんが、当然休み明けにその対応をしなければなりません。
私もそんなケースに何度か遭遇しました。教師歴が浅かったのもあったので指導力不足な部分もあり、やはり学級崩壊を招いてしまいました。
一部の先生や保護者から責められることは多々ありました。もちろん、彼らの言っていることはものすごくわかります。学級崩壊ですもの。そりゃそうなるでしょう。
私が子どもたちと信頼関係を築けていないから。
私は教師に向いていないかも。
私がいたらみんなに迷惑だ。
ひたすら自分を責め、自殺寸前までいったことだってあります。
自分のクラスに本当に手がかかる子がいると、このように自分を責め続け、精神疾患で休職してしまう先生がいっぱいいます。休職、退職する先生も増え、中には自殺に追い込まれてしまうケースもあります。
今の時代30人以上を教師一人で指導するというのは本当に大変なことなんです。
保護者の理解を得るのが大変
クラスの中に一人でも大変な子がいると、当然な話ですが「その子をなんとかしてください」話が持ち上がります。当然こちらも放っておいている訳ではなく、一生懸命に対応している訳ですが、そんな簡単に解決できる問題ではないのです。
例えば、自分で自分の感情をコントロールできず、暴言暴力を繰り返すケース。その子の周りにある全てのものが、その子の武器になります。クラス内でハサミが飛んでくるといった事例も実際にありました。
しかし、かと言って、そういう子をどこかの部屋に監禁するというような事をした時点で「体罰」となってしまいます。その子にも学習する権利がありますしね。
そうなると、
子どもがトラブルを起こす
↓
対応する(場合によってはものすごく時間がかかる)
↓
保護者に連絡をする
↓
一端解決する
↓
悲しい事にまたトラブルを起こす
↓
対応する
↓
再び保護者に連絡するが、嫌気がさしている
↓
なんとか説得する
↓
ほっと落ち着いたのもつかの間、またトラブルを起こす
↓
対応する
↓
・・・
みたいなループに入っていきます。
当然、周りの子どもたちの保護者も段々お怒りになり、信頼関係は崩れます。
更に、その大変な子どもの親が教師の話を聞いてくれないタイプだったり、大変な子どもがトラブルを起こすのは教師がきちんと見ていないからだと怒るタイプだと、解決は非常に困難だと思います。
保護者の方の気持ちも痛いくらいわかるんですが、そんなにすぐに解決できないんです。本当に平謝りの日々。保護者の理解が得られるなら良いですが、理解が得られない場合、保護者との信頼関係は築けなくなります。
こんな風に追い詰められる先生が全国でどれだけたくさんいるんでしょう。私も本当に大変な子どもの担任になった時にその子の両親の理解を得られず、本当に病みました。
その後、その大変な子どもを担当した先生たちのうち何人かは何らかの形で心身に異常が出たそうです。
そんな中で日々の授業に当たって、子どもの成長を支援し続けなければいけない
子どものトラブル対応は、もちろん大切な仕事の一部分ですが、あくまでもそれはメインではなくて、本来ならば勉強を教えるのが教師の本業なはずです。
教師がどれだけトラブル対応をやった所で、それは評価されるものではありません。むしろ、トラブルが起こらないようにしっかりと学級経営をするのが良い教師の条件なんでしょう。
朝から晩まで子どもや保護者のトラブルに対応して、やっと終わったと思ったところから授業の準備をしたり、丸付けしたりします。残業代が出ないのに残業している先生、家に帰ってから仕事をしている先生がほとんど。心も身体も休めません。
教師は8:30~17:00が基本の勤務時間ですが、その間休憩時間はありません。17:00以降は残業代は出ないのに、子どもたちの為に日々会議、授業の準備、トラブルの電話対応や家庭訪問。
17:00以降に学校に電話をかけて普通に教師が電話に出るって、本来はおかしなことなんです。
休みなく働いていて、精神疾患を患ったり辞めてしまったりする先生が多い日本の教育の現状を目の当たりにしているのは子どもたち。
既に限界を超えている大変な教育現場を目の当たりにした子どもたちは、将来教師になりたいなんて思うでしょうか?
少なくとも、「将来教師になりたい」と言っていた子どもは私の教師時代ではゼロではありませんが、ほとんどいませんでした。
モチベーションが続かない
他の都道府県にことは詳しくはわからないのですが、私が勤めていたところは「評価・育成システム」というのがありました。これは教師の育成じゃなく、偏見的な評価の数値化です。
教師は新学期の忙しい時期に「評価・育成システム」の最初の年間目標を立てます。授業力・学級経営・学校運営の3つの分野別に達成目標を書きます。これを出さないと減点されお給料が減ることもあるようで、知り合いが未提出が原因で減給されたそうです。
それって、はっきり言って罰金ですよね…?
それから学期ごとに進捗状況を書いて提出しないといけません。最後の3学期にまとめを書いて管理職に提出。管理職が評価して次年度のお給料が決まるシステムです。
むしろ全てを把握するのは不可能です。
更に、保護者に配布されていた「授業アンケート」の回答も評価に入れられていました。保護者の中には当然、授業参観に来られない保護者もいます。授業を見に来ていないのだから、授業アンケートの記入に困ってた保護者も何人かいました。
ちなみにこの授業アンケート、今はわかりませんが、保護者の方には「教師の評価に反映してお給料を決めます」とは、当時知らせていませんでした。
この「評価・育成システム」にはちょっとしたカラクリがあります。上から、SS・S・A・B・Cとランクがあり、平均はA。
教師は真面目な人が多いので、日々ブラッシュアップしています。お金を払って自己研修に参加したり、休みの日に本を買いあさって読んだり、ベテランの先生の授業を見に行ったり。
つまり、先生たちの資質や能力は年々向上するはず。だから、はっきり言って評価が上がるはずなんです。
でも、A以上になる人はなかなかいません。できれば人件費をかけたくないからなんでしょう。私は簡単にランクが下がったことはありますが、A以上にランクアップしたことはありません。
どんなにがんばっても、どんなに子どもたちから評判のいい授業をしても、教師経験年数は増えていく割に評価も給料も上がりません。さすがにモチベーションが上がらなくなりました。
大事なことは学校裁量
現場の授業時数は年間限られています。授業や行事で既にいっぱいいっぱいの上で、授業数はそのまま、内容を増やしたので教える内容が増えました。その上で道徳を教科化し、英語は必修になりました。
しかし、それに関しての具体案はなく、学校裁量で「どうにか(無理矢理)やってくれ」と上から現場に降りてくることが多々あり、頭を抱えている先生も本当に多かったです。
って思ったことは数えきれないほどありました。
時代も変わりテクノロジーも発達しているのに、学校現場だけ時代遅れ
現場の先生は様々な分野で評価され、それで給料が決まります。時代が進んでいますので、時代にあった内容(例えば英語やITなど)を教えていかないといけません。
しかし、教育にかける予算は本当に限られていて、コピーや印刷代にまで気を配らないといけません。更に色々と上からの要求は多いものの、現場の設備は数十年前どまり。
そんな中で教師たちにだけ資質向上ばかりが求められているのが現状です。
私立の公開授業を見に行ったことがあるのですが、やはり設備は最先端。教科書をホワイトボードに写して板書する手間を省き、主人公の心理描写に線引きするとか、内容が濃かったのを今も覚えています。
まとめ
日本の先生たちはめちゃくちゃ大変な中を必死にがんばっている人が多いです。それこそ自分の時間を犠牲にし、『子どもたちの為』という思いだけで続けている方がほとんどではないでしょうか…。
私はもう、教師に戻ることはできません。教師を続けられる人たちを、心から尊敬しています。だから、教師の苦労をもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。
教師として今もがんばっている先生たちが、これから幸せな教師生活を続けられることを心から願っています。
実は、ポジティブな理由でも辞めてます(笑)。
はじめまして、私も日本の小学校で教師をやっておりましたが、海外に行きたい気持ちが強く、今年3月で退職し、4月からはオーストラリアへ渡航予定でしたが、コロナで行けず、、
色々と情報収集した結果、移住するにはカナダの方が良さそうと思い、今はカナダへ渡航しようと思ってます!
Tomokaさんのブログを発見し、自分と境遇が似ており思わずコメントしてしまいました、、!
ブログを読んで、学校現場の大変さ、すごーーーく共感しました。私ももうここにはいたくないと思い辞めました、、
これからコロナがいつ終息するか分かりませんが、Tomokaさんのブログを読んで元気をもらいながら、日々できることをやってカナダへ行ける日を待ちたいと思います!
メグミさん、初めまして!
コメントありがとうございます!!
実は私もカナダの前はオーストラリア移住を考えていました。が、私調べで移住するならオーストラリアよりもカナダの方が可能性がありそうと思い、カナダにしたんですよ。
カナダ移住も簡単ではなく、大変なこともありますが、可能性はあると思いますよ。
学校現場、大変ですよね。先が見えないですよね。
安定って何?って何度も思いました。結局、安定とか子どもと関わる幸せな仕事とか、確かにそうですが、それで洗脳している気がします。何度も辞める私がおかしいのかと思いましたが、私は本当に辞めて良かったと思っています。
早くコロナが落ち着くといいですよね。
私もブログを続けますので、今後ともメグミさんの励みになると嬉しいです!!